人生やり直し記

シンガーソングライターHalleyのblog

【歌詞解説】壊れる前に逃げてもいい!『理想郷』へと近づくのなら

f:id:haruka-sato-chf:20200102201400j:plain

「絶望の中の希望」をテーマに作詞作曲をしている、シンガーソングライターのHalleyです。


前回のパラダイムシフトの記事では、自身の人生観が大きく変わった経験を曲にした経緯についてお話ししましたが、今回の『理想郷』という曲の解説では、どんな風に価値観が変わったかという中身の方の話をしていきます。


それでは、恒例の歌詞からどうぞ!
_________________

『理想郷』

作詞・作曲 Halley


結局は何かに依存して
やりたいこと忘れたフリ
努力と我慢を間違えて
くすぶってく野心家たち

自分探し続けても
見つからないでしょ?
夢も 居場所も 生きる意味も
自ら気づいてくもの

今すぐ逃げ出して
近づこう 理想郷
挫折したって構わない
嘘つくことをやめたなら


苦手なものをなくそうと
命の時間 削るより
好きなことで価値を生み出して
あとは補い合えばいい

打算で道を選ぶだけの
プライドはいらない
何年それを続けたって
本質なんて変わらない

今すぐ走り出せ
近づこう 理想郷
ダメな自分のままでいい
完璧よりも…

今すぐ逃げ出して
近づこう 理想郷
挫折したって構わない
嘘つくことをやめたなら
_________________


自分を見つめ直すために会社を休職していたとき、様々な本や退職エントリーなどを目にした。

Twitter経由で知り合った人と話をしたりすることもあり、これまでとまったく違う視点の価値観に触れ、人生観を180度変えるようなパラダイムシフトが起こった。

www.clear-scent.com

そこから一歩踏み込み、当時の体験から得た学びのエッセンスをまとめたものがこの『理想郷』という曲である。


新社会人の頃
仕事はなりたい自分に近づくための手段の1つ
向上心に満ち溢れた同世代の仲間達と切磋琢磨しながら高みを目指す!
というやたら意識高い系の目標を掲げて鼻息荒く過ごしていた。


実際入社してみると、当時私のいた職場は

平均年齢60歳手前

主な業務の1つが会議室の準備と会議資料の準備(大量の資料を30部くらい印刷して会議室に並べる。自然破壊が心配)

パソコンが苦手な同僚たちの代わりにシステムをインストール・アップデートしたり、エクセルが使えない人の代わりにエクセルに何かを入力する

みたいな感じだった。


上司に「来年から営業に出られるからね」と励まされながら、結局4年目くらいまで雑用ばかりの毎日だったように思う。


一番やる気のある時期に出鼻を挫かれてしまい、情熱を持て余しくすぶり続けていた。


業務改善プロジェクトで社長賞を取ったり、毎年社内論文(ビジネスプランのようなもの)を書いて環境改善に向けて提言したりはしていたけれど、やること為すこと空回りで、スベり倒す芸人のようだった。


ある程度の年齢になってもスキルにならないことを続けていることへの不安や、知識がついたとしても数年ごとの異動で積み重ねたものがリセットされてしまうことへの疑問を感じながら、日々焦りと将来への危機感に怯えていた。


そんな中、幸いにして自分の内面を見つめなおす機会をいただき、下記のようなことに気づいたのだった。

今いる環境だけが人間関係のセーフティネットではない

それまでずっと「組織に属することで社会との接点が保たれる」と、会社を人間関係のセーフティネット代わりにし「ここで気の合う人を見つけないと!」と自分を追い込みすぎてしまった気がする。


一度その既成概念を取っ払って「どんな人と関わりたいのか」を考える方が大切だということに気づいた。


「こういう人と関わりたい」という像が見えてきたら、そのような人が多い環境に飛び込み、そこを居場所にすればいい。


価値観や波長の合う人は、組織という枠を越えどこで探してもいいのだ。

やりたいことをやる割合を増やすと、楽しいお誘いも増える

やりたいことをやる時間を増やすと、他人の目から見ても分かるくらい自分が好きなこと・得意なことが浮き彫りになる。

そうすると、興味があることに集中して声が掛かるようになる。


やりたいことをやる割合を以前より増やしたら、「一緒にマーケティングの講座受けない?」「ビジコン見に行かない?」など、自分の興味・関心があることにピンポイントで誘われるようになった。


たった短期間でもそうだったのだから、人生の中でやりたいことをやる割合をどんどん増やしていけば、楽しいことばかり寄ってくる人生になるに違いない。

「死」を意識することで、人生の方針が見えてくる

人生の夏休み期間は「死後の世界」について2chで調べるのがマイブームだった。


「死後の世界」はあるのかどうかというところから議論が始まり、「死後の世界」の人はみんなユニクロ風の服を着ているだとか、神様は光の集合体だとか様々な見解が繰り広げられており、非常に興味深かった。


その中でも、特に印象的な仮説があった。

それは、私達の使命は魂のレベルを上げることであり、魂の修行のために人間として産まれてくるというもの。


人間の体は借り物の器であり、人々の魂は何度も転生を繰り返している。

死後の世界の時間の流れよりも人間界の時間の流れの方が何十倍も速いので、より早く成長するために魂は定期的に転生し新たな命として人間界に産まれてくる。

人生は魂の修行という考え方だ。


その仮説によると、魂のレベルを上げるための基準は

・夢や目標に向かって行動を起こし、どれだけ自己実現できたか
・どれだけ人を喜ばせることをしたか

というところらしい。


真偽のほどは分からないけど、私はこの考え方は素敵だと思った。


「自己実現」と「人を喜ばせる」という軸で物事を見ると、おのずとどう生きていくべきか、日々どう行動すべきかということが見えてくる。

「死ぬこと」について考えることは「生きていくための方針を考えること」なのだと気づいた。


そして夢とは「多くの人を巻き込み幸せにしながら自己実現を図っていくこと」であり、それを実現させることが人生の目的なのだと思った。


プライドを捨てた時、やりたいことが見えてくる

いつも、「どうしたら最短で出世できるか」ということを基準にキャリアを描き、大した動機もないまま道を選んできた。


けどこれを機に「自分は本当はどうしたいのか?」について考え直した。


自分の心に問いかけたとき、地位や名誉など「人にどう見られるか」ということを気にしすぎるより好きなこと・得意なことの方面にキャリアを寄せていった方が満足いく人生になるだろうということに気づいた。


何か新しいことを始めたり、一人旅をしたり、性格分析したり…
それらがいい方向に働くこともあるけど、「自分を探し」を続けても答えはなかなか見つからない。


余計な感情を取っ払い、外側ではなく自分の内側に目を向けると、案外知りたかったことはすぐ側にある。
答えは自分の心の中にあるものだから。

ダメな自分のままで、構わない

復職直前に1人桃鉄99年に挑もうとするなど、夏休み期間はとことんグダグダに過ごしてみた。
(結局、家にあったゲームソフトが処分されていて、実現できずw)


とことんダメ人間として過ごしてみて、今までは完璧主義をこじらせ、他人に対しても厳しくなりがちだったけど、自分がダメダメだと人に対して寛容になれることに気づいた。


そして、世の中で活躍してる魅力的な人たちの書いた本などを読んでみて、そういう人たちに限って結構ダメな部分があることを発見。


「強烈な人間性の偏りが、逆に人を惹きつけるのかもしれない」

そう思ったら、自分のダメな部分も素直に受け入れられた。


ダメな自分でもいい。
それを補うために身に付いた能力こそが、個性。
その個性を活かして働くことが、「自分らしく働く」ということなのだろう。

「なりたい自分」に近づく選択を

結果的に私は今「え、若返った?」と言われるくらい元気に過ごしているから良かったが、これを読んでる方の中には心身ともに疲弊してしまってる人もいるかもしれない。


新卒時代の私の言葉を借りると、やはり仕事とはなりたい自分に近づくための手段の1つなんじゃないかと思う。

仕事に限らず、なりたい自分から遠ざかっていくようなことには一度メスを入れて軌道修正していった方がいいし、立ち止まって方向転換することは決して「逃げ」ではない。


ちょっとずつでも、匍匐前進でも、理想としている方向に近づく選択ができたら、心のモヤモヤや晴れていくのではないか。

一番嘘をついちゃいけない相手は、自分自身なのだから。


Halley / 理想郷