人生やり直し記

シンガーソングライターHalleyのblog

【歌詞解説】青春したくて共学に入ったのに彼氏ができない陰キャが、始まってもない恋を終わらせてしまった曲『まなざし』

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「絶望の中の希望」をテーマに作詞作曲をしている、シンガーソングライターのHalley(ハレー)です。

前回のに引き続き、恋愛の曲第2弾!

サムネイルの体を張った画像から想像できた方もいるだろう…今回は…JKのときに作った曲について解説します。

(ん、スーツ姿のOLにしか見えないって?)


今回ご紹介する『まなざし』という曲は、タイトルのとおり青春したくて共学に入ったのに彼氏ができない陰キャが、始まってもない恋を終わらせてしまった曲。


「どういうこっちゃねん」と思った方々、背景は後から説明するので、まずは恒例の歌詞からお楽しみください!

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『まなざし』

作詞・作曲 Halley


胸躍らせるようなことないって
暇もて余してた頃みたい
一通り味わい尽くしたら
陶酔からも冷めていく

色づいて色褪せてく 一つ一つが
気まぐれなリズム

笑顔や涙をうまく使えるようになったら
ウブなせめぎ合いは もう必要ないはずね
つないだ手離して「ありがとう」とだけ伝えて
すべて分かち合った まなざし背にして行く


不満があったわけじゃない
終わりしか見えなくなってしまっただけ
感傷に浸り尽くしたら
魔法は解けてしまうもの

ちょっと背伸びしすぎてる 香りの中で
あやふやに揺れる

自分に似合ったものが分かるようになったら
求められることにこだわりはしないから
つないだ手離して「ありがとう」とだけ伝えて
すべてわかち合った まなざし背にして行く

笑顔や涙をうまく使えるようになったら
ウブなせめぎ合いは もう必要ないはずね
つないだ手離して「ありがとう」とだけ伝えて
すべて分かち合った まなざし背にして行く

まなざし背にして行く

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トラウマを抱えた塾講師が「附属上がりの温室ゆとり」を大量生産する現場に立ち会う

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私の中学3年間は、すべて勉強に費やした。
別にすごく崇高な目標を目指していたわけでも、志が高かったわけでもない。
選べる選択肢が少なくて、崖っぷちに立たされていたのだ。


中学1年のある日、とくに頼んだ覚えも話し合った覚えもないのに、突然親から「これから高校受験まで塾通いしてもらうから」「明日、入塾テストだから」と告げられ、進学塾通いが始まった。


入塾テストを経て私が入ったクラスの先生は、大学受験で相当嫌な思いをしたのか「大学受験をするとノイローゼになる!大学受験をしなくていい道へ進むことがオススメだ!」と常に語っていた。


今振り返ると洗脳だったようにも思えるが、その先生が黒板に書いた計算式が私の進路選びに大きな影響を与えた。


A:進学校に入り大学受験して一浪した場合
 高校学費◯◯◯万円
+予備校代◯◯◯万円
+受験料◯◯万円
+浪人中の予備校代◯◯万円
+ストレートで入学していたら得られるはずだった卒業後の初年給◯◯◯万円
=◯◯◯◯万円


B:附属校に入りストレートで大学へ入学した場合
 高校学費◯◯◯万円


うろ覚えだが、上記のようなことを黒板に書いて熱弁する先生の話を聞き、衝撃を受けたことを覚えている。

あまりにも激しいプレゼンテーションだったため、私の中では「大学受験=ノイローゼ」「浪人して大学合格=メンタル鋼の超人」という方程式が出来上がった。

その日から、私立の大学附属校入学を意識した受験勉強が始まった。

未来に希望託し過ぎ!ハードモードな進路選択

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冒頭でもちらっと触れたが、私の高校受験は選べる選択肢が少なかった。


大学附属というだけである程度数が絞られるのに
・誰も知らない場所で人生をやり直したい
・ガリ勉メガネの黒歴史を封印し、高校デビューを果たしたい

という理由から地元の神奈川から遠い東京の学校を希望。


また、共学という条件は絶対譲りたくなかった。

高校生になるまでコンタクトレンズはNGと親に通告され、落ち込んでいたところに追い討ちをかけるように塾通いが始まり、青春とは無縁な日々を過ごしていた。

だから、今を諦めて青春のすべてを高校生活に賭けようと思ったのだ。


他にも、

・地毛が茶色いので、校則が厳しい学校だと怒られそう(数年後、実際に弟が進学校で髪の色を注意されてた。地毛なのに...)

・家庭環境も厳しいのに学校まで厳しかったら息が詰まる

・眉毛濃いのに眉毛抜いちゃダメとか何の罰ゲームだよ、仙人みたいになってもいいの?

・そもそも、ファッション・ヘアメイクで個性を出すのは単なる自己表現。色気づいてたりお洒落に興味があるだけで、誰にも迷惑かけてないんだから規制する意味がわからん
などの理由から自由な校風を希望した。


これらの条件を満たす高校は…東京に数校しかなかった。
受験日が被っている学校は両方受けることができないので、さらに数は絞られることとなった。


(ちなみに、私の代まで早稲田実業は男子校だった。受かったかどうかは分からんが、あと1年遅く生まれてればと思うととても悔やまれる...)

崖っぷち少女の負けられない戦い

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一応上記すべての条件を満たす高校を第一志望に掲げ、願書を提出。

共学附属校の受験日が同じ日に重なってしまい、不本意ながら第二・第三志望は地元の進学校を受験することになってしまった。


地元の進学校は校則が厳しいことで有名で、上にも書いたように地毛が茶色い人は生活指導の先生に怒られる。眉毛を整えるのもNG。

おまけに男女別学ときた。

入学後のことを考えると、地毛を黒く染め上げ、ボサ眉で女子同士のイザコザに耐える地獄のような日々しか想像できなかった。


そんな日々、耐えられない☆
そこには、絶対に負けられない戦いがあった。


第一志望入学後のポジティブなイメージを脳内に植え付けるべく、青春に満ち溢れた高校生活を楽しむ学園モノの漫画を読んでイメトレ後、鬼のように勉強した。

「絶対こんな高校生活を送るんだ!」

漫画の世界のような妄想を励みに、今の楽しみを捨て、すべてを未来のために捧げた。


絶対この学校受かるのにこんなに勉強しなくていいだろ!一体どこへ向かってるんだ?

という気迫でひたすらtoo muchな勉強量をこなしていったのだった。

勉強しかしてこなかった女の末路

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そんなこんなで必要過多な勉強量をこなし、無事第一志望の高校に合格することができた。

中学時代は塾と勉強の思い出しかなく、人として大事なことをどこかに置き忘れてきた自覚がはっきりとあった。


・人と目を見て話せない(とくに異性)

・会話の引き出しもなければ人の話を引き出す質問力もない

・内輪ネタしか話せる話題がなく、皆に通じる汎用的な話題にはどのようなものがあるか知らないため、ごく親しい人意外とは全く会話が弾まない

など、とりわけコミュニケーションには問題を抱えていた。


それに輪をかけるように家庭でも「勉強以外のことをしなくてもいい」みたいな風潮があり、あらゆる手続きや日常に必要なプロセスを全部親が先回りしてやってくれていた。


どんどん世間から切り離されていくような感覚を覚え「自分は世間知らずだ」「年齢の割にものを知らない」「恋愛に関してもウブだ」というコンプレックスが強まっていった。


イメージとしては宇多田ヒカルの"人間活動"のような「人として大切なものを学ぶ期間を過ごしたい」という気持ちが大きかった。

その点、大学受験のない附属校は「人間的な遅れ」を取り戻すのに最適な環境だった。

思い知った現実...外見を変えても人生は変わらない

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計画通り、高校入学と同時にコンタクトレンズにし、根暗ガリ勉時代を誰も知らない環境で1からリスタートすることになった。

しかし、入学早々大きな壁にぶつかることになる。


・入学時点ですでにみんなオシャレで都会的な雰囲気を醸し出している

・家が厳し過ぎて携帯を持てなかったため、連絡先交換の流れに出遅れた

・東京の人のペースが速すぎて、気づいたらクラス中に仲良しグループ出来上がっており、ぼっち確定

・そもそも長年陰キャとして過ごしてきたので、根本的に陽キャとノリが違う。陽キャと過ごそうと思うと、お互いムリしなければならない。


入学前は、見た目を変えればリア充の輪の中にサクっと馴染めるものだと思っていた。

でも現実は、外見を変えただけじゃ人生は変わらない。

内面も含め生まれ変わらなければ、やり直すことなんてできなかったのだ。


※結局、人間活動というかリハビリ活動に丸3年かかり、きちんとリア充できたのは大学以降となった。


スクールカーストで勝たないと、異性と話す機会がない

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さらに、青春したくて共学に入った私には、大きな誤算があった。

それは、クラスの中に
①異性とよく話すグループ
②異性とほぼ関わることのないグループ

があり、共学といえど①に所属しない限り異性との接点はないということだ。


高校3年あたりからは、大学っぽい雰囲気が出てきて「全員で仲良くしよう」みたいなムードも多少あったが、1〜2年の頃は義務教育の名残のような閉塞感が漂い、とくに上記の傾向が顕著だった。


彼氏をつくる道筋としては
1.クラスで男子と接点のあるグループに所属する
2.彼氏を作る

という流れになるのだが、1を達成していない時点で2を実現できる可能性はほぼ皆無だった。

恋愛に縁がなさすぎて、想像しうる全ての恋愛要素を曲に詰め込む

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このように、青春を夢見て猛勉強したのにもかかわらず、そこには彼氏ができないどころか友達とわきゃわきゃすることすら少ない、まったくもって華やかさのない高校生活が待っていた。


それでも恋愛や青春に対する憧憬は止まず、ついに誰とも付き合ったことがないのに恋人への気持ちを曲にするという暴挙に出た。


付き合うまでのドキドキ感、想いが通じ合ったときの感動、日々感じる深い愛情...
そんな感情はわからない。


ただ、勝手に片想いして誰にも打ち明けぬまま勝手に恋が終わるという失恋は何度も経験したことがあるので、喪失感だけは表現できる自信があった。


こうして、様々な事情が合わさり、誰とも付き合ったことがないのにいきなり別れの曲を書くという斬新な行動に出ることとなった。


恋愛経験が少なすぎて描写が難しい部分については、友達から聞いた体験談などあらゆる知識を総動員し、その時点で自分が知りうる恋愛のすべてを注ぎ込んだ。


だからこの曲には、ところどころ不思議なフレーズが出てくる。

たとえば2番のAメロ

不満があったわけじゃない
終わりしか見えなくなってしまっただけ

という部分。

恋愛経験者であれば「何かしらの不満があるから別れるんだよ」と違和感を感じるかもしれない。


あたかも経験者のようなフリをして、恋愛のことをすべて分かったようでいて、時折顔を出す処女性。

そんな知ったかぶりの少女が描くいびつさがこの曲の唯一無二の部分かもしれない。


処女ゆえの独特な世界観とリアルな現実を結びつけるべく、PVでは何かしらのっぴきならない事情があって別々の道を歩まなければならなかった感を強調してみた。

下にYouTubeのリンクを貼っていますので、ぜひ興味のある方はサムネイルをクリックしてPV動画ご覧下さいませ♪


www.youtube.com