「絶望の中の希望」をテーマに楽曲制作をしている、シンガーソングライターのHalley(ハレー)です。
これまでの歌詞解説ブログ2つを読んで、こんなドロドロした想いで曲書いてるなんて、性格悪いやつだなと思ったと思います。
そんなあなたに嬉しいニュース!
たぶん今回の内容が一番エグいですw
内容が内容なので、しばらく経ったら非公開にしようかな?と若干思ってます。
もう何回かこんな感じの内容が続きますが、人は歳を重ねると丸くなるもの。
25歳過ぎたあたりから徐々に性格良く(?)なってくんで、もうしばしお待ちください!w
まずは恒例の歌詞から♪
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『ウサギとカメ』
作詞・作曲 Halley
幼い頃 君は私を蔑んだ
いつも一番になれないのに
黙って笑ってようとしないから
君が居眠りしてる間に
たどり着いたふもと道
大人になって目が覚めて
うわの空で見つめるだろう
カメはウサギをいつか追い越す
おとぎ話さえも知らないのかい?
ありふれた生き方も 妬むしかできない君
幼い頃 君は私を嘲笑った
くだらない悪あがきばかりして
黙って手を上げようとしないから
君は居眠りしてる間に
アウトコースからも外れ
大人になって挫折を知って
ただただ 泣きつづけるだけ
ウサギはカメに
「辛さなんて知らないだろ」と言う
自分が寝ている間に
山を越えていたことも知らず
僕もいつしか走り疲れて
闘いの無意味さを知って
大人になって目が醒めて
過ぎ去った時間(とき) 嘆くだろう
カメはウサギをいつか許して
自由になっていく
自分が自分を認めることで
誰かを受け入れられて
知らないのかい?
ありふれた生き方を
越えていく僕の秘密
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私は幼い頃、いつも弟にディスられていた。
弟は末っ子だから親からも可愛がられる上、(当時は)容姿もよく、スポーツ万能で要領もいい。
不器用で要領が悪く、真面目だけがとりえのおっとりした私は、何をやってもダメだとバカにされてきた。
弟は世界は自分を中心に回ってると思っているようなタイプで、自分大好きわがまま放題。
親もそれを咎めず、どんどん自己愛が肥大化していったため、世の中のすべては自分の思い通りになると思ったまま中学生になった。
弟がバカにし続けた姉は、真面目にコツコツ勉強し、そこそこの高校に受かったのだが、弟はそんな努力も知らず、「こんな奴でも偏差値70いくなら、勉強しなくても余裕だ」と思ったらしい。
彼はあまり勉強をしなくなった。
受験前でもゲームばかりやるなど、緊張感のない日々を過ごしていた。
自業自得と言えばそれまでだが、彼は受験で志望校のすべてに落ちた。
合格発表のシーズン、家は葬式状態になった。
(そのせいで私が運転免許取りに行きたいと言ったのが却下されて大学入ってから忙しい中取りに行く羽目になり、睡眠不足で死にそうな時期があった)
しばらく葬式状態が続いた後、地元の進学校に補欠で合格していたと通知が届き、何とか事なきを得た。
高校入学後、弟は得意だった陸上をするため部活に入ったが、脚を故障し、部活を辞めることになった。
唯一の特技ができなくなった上に、コミュニケーションについて学ぶことなく元来のワガママな性格のまま来てしまったせいか、いつしかいじめに遭うように。
気づけば不登校になり、家に引きこもるようになっていった。
いつだったか、私がたまたま日々の生活の中で嫌なことがあって、大きなため息をついていたときがあった。
それが弟は気に食わなかったらしい。
殺されるのではないかというくらい殴りかかってきたことがあった。
弟からすると、私が何もせず勝手に希望が叶ってのほほんと生きてるのにもかかわらず、文句を垂れているように見えて気に食わなかったらしい。
そんなわけないだろう。
弟は知らないかもしれないが、弟が受験勉強をサボっていた中学生時代、私は毎日お風呂とご飯の時以外は大体勉強してた。
高校へ入学してからだって人間関係で苦労して、毎日学校に行きたくないと思いながら、血を吐く思いで毎朝5時半に起きて2時間近くかけて通学してた。
心を病んだり体を壊して学校に行けなくなれないかなと毎日思いながら過ごしていたけれど、ムダに心や体が強かったようでそうなれず、そんな己の強さを恨んだりもした。
それを何もせずのほほんと生きて、幸せなくせに文句を言ってるみたいな言い方はしないで欲しい。
自分で努力して手に入れた環境の中抱えるありありふれた悩みに、いちいち目くじら立てないで欲しい。
そんなことを思い、怒りに震えた。
そのとき感じたことを社会人になってからふと思い出して作った曲がこの『ウサギとカメ』だ。
実はこの曲は、音源をレコーディングする直前までは2番サビまでしかなくて、最後の方のフレーズは数年前に書き加えた。
僕もいつしか走り疲れて
闘いの無意味さを知って
大人になって目が醒めて
過ぎ去った時間(とき) 嘆くだろうカメはウサギをいつか許して
自由になっていく
自分が自分を認めることで
誰かを受け入れられて知らないのかい?
ありふれた生き方を
越えていく僕の秘密
書き足した理由は、心理学を学んだから。
まだ人生で挫折を知らなかった頃は、努力すれば全てのことが叶うと思ってた。
でも、頑張り過ぎて疲れ果て燃え尽きてしまった経験から心理学を学び、努力しまくるフェーズの先にもっと幸せな世界があることを知った。
義務感で努力し続けることを辞め、自分の弱さを認めて人の欠点も受け入れられるようになった方が、孤独から解放され人と繋がれることを学んだ。
それを知ってから、ふと童話の『ウサギとカメ』がこのシーンで終わるのはおかしいと思いネットで検索したところ、どうやら続きがあるらしい。
続編にはウサギ編とカメ編があるようやのだが、その後カメがどうなったかというと…
ウサギとの勝負に勝利したカメは、「やればなんでもできる」という気持ちに目覚め、頑張れば空も飛べると思うようになる。
ある日ワシに空高く飛んでくれとお願いし、ワシは高い場所まで飛んでいき、そこからカメを落とした。
カメは空を飛べるはずもなく地面に激突し、砕け散った…というトラウマになりそうなストーリーが載っていた。
やはり、心理学の燃え尽き症候群と一緒で、ヒーロー気分に侵されて頑張りすぎると、破滅へと陥っていく。
そのとき、「そうか、この曲はまだ作品として未完成だったのか」と思い、続きを付け加えることにした。
それが、上記の最後に付け加えた2番のBメロ〜大サビだ。
その後、私と弟がどうなったかというと、私は転職して比較的自由な社風の会社に移り、ずっとやりたかったオリジナル曲の制作活動も始めた。
そして弟は、引きこもりから脱し、高卒認定を受けて大学に進学し、無事卒業して就職した。
もし、過去の恨みからヒーローという役割を演じているならば、それを手放して自分を解放してあげる。
レールから降り好きな道を選択することで、初めて少しずつ人を許せていく。
親や兄弟を憎んでも、何か償ってくれるわけじゃない。
好きなように生きることでしか、人は幸せにはなれないのだから。