最近の記事で、コンプレックスを克服するために目標とするペルソナを設定し、そのペルソナの要素を持つ人たちをベンチマーキングしてトレースしまくってたら仮面が外れなくなった話をした。
意識高い用語満載で失礼。こじらせてるもので。
今回は、そのペルソナを強化するキッカケとなった、多大な魅力と影響力を持つお兄様たちの話をしよう。
高校デビューに失敗した痛手を負った私は、上記のキャラ設定によって無事大学デビューを果たすことに成功した。
それはもう、大学以降に出会った人は皆、私のことを自由奔放な家庭で育った元ヤンだと信じて疑わなかった。
とあるバンドサークルの新歓コンパで、そんなチャラついて世慣れした(キャラを演じている)私に声を掛けてきたのが、サークル内で「ヘリウム族」と呼ばれてる先輩方だ。
なぜ彼らがヘリウム族と呼ばれてるかというと、遊び人すぎて空気より軽いから。
そのネーミングの時点ですでにイケてると、彼らを前に目を輝かせた。
私の行っていた高校は大学附属で、男性陣は育ちの良さそうな小金持ちのお坊っちゃんばかり。
当時、大人しくて優しい男性陣にあまり魅力を感じず(今はそんなことないです、すみませんでした)、カッコよくてイケててぶっ飛んでる人たちに憧れがあった私にとって、ヘリウム族はとても魅力的に映った。
新歓後、見た目が派手だったからか、友人と私はヘリウム族に呼び出され、一緒に二次会をした。
そしてなぜかその場でバンドを結成し、新入生なのに新歓ライブに出て歌う(友達はキーボード)ことになったw
そこからは、バンド練習や飲みなどで、ちらほらヘリウム族と遊んだりした。
バイクで夜の多摩の街をギター背負って走ったり、ヘリウム先輩のめちゃくちゃな車運転や斜めに曲がった駐車に笑ったり、ヘリウム先輩たちの過去の武勇伝を聞いたりしながら「ぶっ飛んでる〜!」とwktkした。
ヘリウム族たちは、人を惹き付ける魅力に満ち溢れてて、これまで厳しい家庭環境で箱入り娘的に生きてきた世間知らずの私が知らないことをたくさん知っていた。
ヘリウム族とつるむに相応しい女になって、つねにぶっ飛んだ人たちに囲まれた愉快な青春を送りたかった。
自分もヘリウム女になれば、ぶっ飛んだ人たちといつも一緒にいれる気がして、何を血迷ったか、ヘリウム族のお兄様方の喋り方や仕草などもインストールし始めたwww
そして…
1ヶ月後には「ハンパない!」「ぶっ飛んでる!」「FUCK!」などを連呼するチャラいノリのギャルになっていた。
なるべくボキャブラリーを減らすことで悩みがなさそうで人生楽しんでいる感じを演出したが、それが薄っぺらさに拍車をかけた。
予定どおり新入生なのに新歓ライブのステージに立った後、ヘリウム族との交流はあまりなくなった。
「俺ら全員2年生!」と言っていた彼らは、実は4年生または留年中の5年生で、すでに全員サークルを引退していたのだ。
ヘリウム族とかかわりがなくなったあとも、あの刹那の楽しさの味をしめてしまい、ヘリウム族の面影をずっと追い続けてる自分がいる。
「ぶっ飛んだ人がいる」と聞けばはりきって飲み会に行くし、大勢男性陣がいたら、仲良くなるのは大抵ハイテンションな奴らだ。
ただ、朝型の私は彼らと同じペースで遊ぶと体を壊すし、最近はめっぽう気疲れしやすくなり自分を偽れなくなってきたので、そろそろヘリウムアプリもアンインストールするときがきた。
長年私の交友関係やコミュ力、ぶっ飛んだ人とのコネクションづくりに一役買ってくれたヘリウムアプリには、感謝してもしきれない。
また、これからもぶっ飛んだ人たちや遊び人たちと出会い、元ヘリウムアプリ保持者としてシンパシーを感じることもあるだろう。
そのときはヘリウム女(を演じた表面的なノリ)としてではなく、まったく違うタイプの人間として「一見かけ離れたタイプに見えるけど、根っこでは意外と共感できる部分あるね」とほくそ笑みたい。
そう、心の奥をさらせば、あらゆる人に親近感を感じることができるのだから。