腰が重く、人との交流を最小限に絞り、意思表示をハッキリして、なるべく予定を入れず、自分個人の時間を優先する。
そんな風に過ごし始めて、さすがにやりすぎかな?本当にこのままでいいのか?もう一生誰かに会いたいと思うことはないんじゃないか?
そんな一抹の不安がよぎり始めた。
そんな少々モヤっとした気持ちでバスに乗り込むと、目の前にひとりのおばあさんが座っていた。
私はリュックを体の前方に抱き、片手にショップ袋を持った状態でおばあさんの座席の前に立った。
するとおばあさんが「バック、どうぞここに置いて」と自分の荷物を少し避け、荷台にスペースを空けてくれた。
いえいえ大丈夫ですと最初は断ったが、「いいからいいから」と何度も言ってもらい、お言葉に甘えて置かせてもらうことにした。
すると、おばあさんは鞄の中からゴソゴソと何かを探している様子。
その後、鞄の中からフックを取り出し、目の前の取っ手に引っ掛け、ショップ袋の方もそこに掛けてもらえることになった。
本当にいたせり尽くせりで、おばあちゃんちに遊びに行ったような気分になり、思わず涙が出そうになった。
ここ最近、自分の気分や心地よさを優先してきたことで、心の余裕のようなものは生まれてきてた。
けど一方で、人としてどうなんだろう?と思う場面も個人的には多々あった。
だけど、今日おばあさんと会ったことで、自分に優しくしたから人に丁寧に扱ってもらったんだ、このままでいいのだと思えるようになった。
向かってる方向が果たして合ってるのかどうか。
迷うときは大体、日常の中に小さなサインが見つかる。
注意してよく目を凝らしていると「あれのご褒美はこれだったのか」と気づくことがある。
今回のような出来事は、このまま進んでよしのサイン。
しばらくこのまま、行けるとこまで行ってみることとしよう。