「絶望の中の希望」をテーマに作詞作曲をしている、シンガーソングライターのHalley(ハレー)です。
これまでは、Jazzっぽいコードを使ったPopsやバラードなどを中心に楽曲制作してきたのですが、今までと違った雰囲気の曲も作ってみたいと思い、今回はR&B寄りにしてみました。
まずは、恒例の歌詞からどうぞ!
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『人間交差点』
作詞・作曲 Halley
出逢ってくれてありがとう
すべてはいつか変わりゆくもの
今はもうみんなそれぞれの場所で
輝いてるのでしょう
一瞬の奇跡 交差点
偶然が重なり合って
似た者同士 集まった
あと少し月日が違ったら
交わらなかったでしょう
疎まれ避けられてた
強い個性の花が咲いた
自分が自分でいられることで
試練も 乗り越えられた
たがいを受け入れ合えてた
顔ぶれはもう見かけないけど
新しい人に喜びの種を
受け継いだのでしょう
青春刻んだ 交差点
大好きな空気感が
今でも残ってるなら
たしかにそこにいた形跡は
空間に根づいている
通じ合う経験とか
懐かしい場所があることが
今でもふとした瞬間の
心の支えになってる
出逢ってくれた人たちが
守りたいもののために飛び立つ
離れた場所でそれぞれの夢へ
踏み出してるのでしょう
戻りたい 戻れない 交差点
出逢ってくれてありがとう
すべてはいつか変わりゆくもの
今はもうみんなそれぞれの場所で
輝いてるのでしょう
さよなら人間交差点
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新卒で入ったのは大企業。
福利厚生も悪くはなかったし、保守的な人が多い業界だったので、当時は定年退職以外で辞める人はほぼいなかった。
異動はあるけど年に1度くらいだし、人の入れ替わりはほとんどない。
ついでに5年間後輩も入ってこない。
変化のなさに物足りなさを感じることもあった。
ベンチャーに転職してみると、今度はやけに人の入れ替わりが激しい!
ちょうど拡大の時期だったこともあり、毎週誰かしら入社する人がいて、毎週のように席替えをしていた。
う〜ん、極端!
そんなこんなで、まったく変化のないところから変化の激しすぎる環境へ行ってしまった。
少し時間が経つと、同じ場所が全く違う人たちで構成されているついでにいつの間にか自分も部署異動してる新たな環境では、仲の良い同僚との別れなどでセンチメンタルな気分になることもあり、その時たまたま居合わせた人たちといっときの期間を共有する「一期一会」のような感覚が強まっていった。
1年でも半年でも期間が違ったら、交わることもなかったであろう人達との出逢いは、まるで多くの人々が行き交う渋谷のスクランブル交差点のよう。
そんなことを考えながら、転職してこっち側の住人になってからというもの、ずっとこのテーマで曲を作りたいと思っていた。
数年後…
前回の愛の宇宙という曲も、知人の紹介で会った人達に触発されてインスピレーションが湧いたのだが、今回も同じような経緯で曲ができた。
1年くらい前、今の仕事(外資系メーカー)の製品の件で聞きたいことがあるという方々がいらっしゃったので、知人の紹介で話を引き受けた。
以前いた古巣の業界に近い方々だったので、話をしているうちに「私も社内チャットでバカな話してたな〜」「同僚や上司とあだ名で呼び合ってたな〜」などと、懐かしさがこみ上げてきた。
面白そうなことしてるな〜という刺激を受けたとともに、その日を境にしばらく「もう私の青春時代は終わった」「もうあの頃のような距離感で周りとふざけ合うことはないのだ」という事実を突きつけられたようで、酷く落ち込んだ。
落ち込みすぎて、もはやこれは曲を作ってモヤモヤを消化するしかないと思った。
そしてできたのが、この『人間交差点』だ。
最初に書き上がった歌詞は、もっと嘆きや悲しみの要素が強くて後ろ向きだった。
だけど、よく考えてみたら、孤独感を感じるシーンでも折れずにやっていけてるのは、すでに「帰れる場所」があるからだということに気がついた。
以前は居場所がなかったから、会社の中で居場所を作ろうとして空回りしてる部分もあった。
でも、すでに3rd Place的な「価値観の合う人達との繋がり」があるのならば、そこにこだわらずチャレンジすることができる。
そして、今孤独や人との距離感を感じていたとしても「あの頃があったから、もう青春を卒業してもいいかな」と過去の記憶に支えられている。
そんな風に、全部ポジティブ変換してみることにした。
コミュニティの定義とは?
ここにきて思うのが、そもそもコミュニティの定義とは何なのだろう?ということ。
変化が激しい場所にいると、短期間のうちにコミュニティの多くの人が入れ替わってしまうことがある。
ほとんどの構成員が変わってしまっても、果たしてそこは同じ場所と呼べるのだろうか?
自分が「居場所」だと感じでいた場所は、そもそも今も存在しているのだろうか?
この曲を書くとき、そんなことを考えた。
しかしながら、顔ぶれは変わっても、以前いた人達と同じような価値観を持った人達が再び集まり、似たような空気感を作っていることはよくある。
メンバーが変わっても、脈々とDNAが受け継がれている。
そんなある種の「カルチャー」に自然と馴染んでしまう場所を、人は居場所と呼ぶのだろう。
おわりに
異端児として大企業で浮いてしまっていた新卒時代。
そんな自分でも、似た者同士が集まる場所へ行けば、個性や価値観が受け入れられることを知った。
あと少し入社時期がズレていたら出逢うこともなかったであろう一期一会な人達と、同じ時を過ごすことができた。
今はもうみんなそれぞれの場所で活躍してることをFBの近況報告などで知ってるけど、あのとき一緒の空間にいれたことを誇らしく思う。
出逢ってくれて、ありがとう。